


「学校選択制」のこと 2006年2月5日(日)
前回から、半年近くが過ぎてしまった。
途中まで書かれ変色した“おなか記”が、たどり着く場所もないまま、部屋の隅でじっと私を見ている。意識の底ではそれを捉えながら、どうすることもできない日々が続いた。
どうも人間があっさりしていないせいか、伝えたいことが山のようにあるのに、自分の感情と向き合うのが怖くなってしまう。季節の移ろいは私の横を摺り抜けるのに、それを感じることもせず、ごまかしながら過ごしてきたような気がする。
そんな中、突然降って湧いたように知らされた「学校選択制」の問題。昔からずっと当たり前とさえ思っていた義務教育の制度に、今、「ちょっと待った!」がかけられ、変えられようとしているのだ。
小学生を持つ母親として、目の前に突きつけられたこの問題に対し、否応なく判断が迫られる。「どうして今学校選択制が必要なのか」という疑問と、「それが導入されたらどうなるのか」という不安。その答えを探すべく、教育委員会の説明会と第4回大分市立小中学校選択制検討委員会の両方に参加した。
そしてようやく問題の糸口が見えはじめたところで、“しずかちゃん”こと小手川めぐみ議員は、私に大きな、大きな、宿題をくれた。
ある集会での「学校選択制」についての報告と、教育問題の学習会をしている方々へのチューター役というのがそれだ。
「エッエ〜」
戸惑いながらもまず、莫大な資料を黙々と読み続けることから始めた。
気になる部分では新聞をめくり、引っ掛かる記事は次々とコピーし、新たな資料にしていく。家に帰ってからも家事も早々に、報告の原稿作りに、わが子の小さな机を借りることにした。そんな母親の初めての姿に、何度も何度ものぞきに来てはエールを送ってくれる子ども。
とりあえず、集めた資料を整理し組み立てて行く。問題点とその答え。最終的にどう持っていくか…… 行ったり来たりしながら夢中で書き続けているうちに、原稿はレポート用紙10枚ほどに膨らんだ。さて、今度はこれを10分間にまとめなければならない。全部伝えたいことばかりなのに……。
翌日、無事報告も終え、久々の充実感と安堵感を味わうことが出来た時、私はハッとした。 そうなのだ。わがドラえもん集団は、議会の質問原稿を作るために、いつもこの大変な作業を繰り返しているのだ。
それがどんなに大変な仕事であるかは、側で見てきて分かっていたつもりだったのに、いつの間にか慣れっこになっていた。心のどこかでは「議員なのだから当たり前でしょ」なんて簡単に考えていたのかもしれない。
彼らは毎回、産みの苦しみを繰り返しているのだ。それも、あの事もこの事も平行にこなしながら。
「スゴイナー!」
月並みの賛辞だけれど、ほんの僅かでも似たような経験をさせてもらった私は、感動にも近い思いでつぶやいてみる。
彼らのドラエモンになりたいと願っていたはずなのに、猫のように怠慢に過ごして来た今日までの私。でも、ようやくたどり着いた……
「ごめんね、しずかちゃん」
「ありがとう、しずかちゃん」
季節はもう春を迎えようとしている。
おなか記 第4回