新日鉄ばいじん公害について環境省と交渉
2006.7.12
政府と交渉する大久保八太議員
ばいじん公害をなくす会と日本共産党大分県委員会、日本共産党大分県地方議員団は、7月12日、小池百合子環境大臣への要望書を共同で提出しました。要望書には、発生源の新日鉄に対する厳しい規制をすること、健康被害を含めた実態調査をすることなどが盛りこまれています。
要請には、赤嶺政賢衆議院議員、仁比総平参議院議員、春名なおあき参議院候補、田村貴昭衆議院比例候補らが同席し、私や加藤純子県議、堤栄三県議候補も参加しました。
対応したのは、環境省環境保健部保健業務室室長補佐、近藤恵美氏、環境省水・大気環境局大気環境課課長補佐、野沢倫氏でした。
ばいじん公害をなくす会の足立代表は、降下した黒いばいじんや、被害の写真等を示し、「子どもやお年寄りがぜんそくや気管支炎で悩まされ、健康被害も深刻だ。毎日掃除してもばいじんが家の中まで入り込み洗濯物が真っ黒になるし、悪臭にも苦しんでいる。急いで対策をたててほしい」と訴えました。
赤嶺、仁比両議員は「公害根絶は、国と加害企業の責任でやるという立場をはっきりさせることが大事だ。市も努力しているが改善されていない。被害者に対する誠実さが問われている。現地で住民から被害状況を聞くなど、国が動くべきだ」と迫りました。
さらに参加者からは「新日鉄大分工場は住宅地にすぐ隣接するという、全国でも特殊な条件にある。特別な対応をすべきだ」などの要望が出されました。
野沢課長補佐は「国としては、法律で規制値を義務づけている。地域での上乗せを妨げてはいない。国が直接調査することは、権限を地方に移譲しているので難しい。みなさんの要望があったことは市に伝える」と述べました。これに対し、なくす会代表の「ただ市に伝えるだけでは意味がない。被害をなくすよう、なくす立場で伝えるのか」の問いに、野沢課長補佐は「被害をなくす方向で、大分市に伝える」と言明しました。
参加者はさらに、現地調査は重要なので、上司とも相談して必ず実現してほしいと強く要請しました。
会談の終了後、野沢課長補佐は仁比議員に「関係省庁はどうなっていますか」と聞いています。これは経済産業省に対し、新日鉄の社会的責任を果たす指導を求めることも重要であるということを示唆したものです。