春は旅立ちの時。
私の周囲でも、さまざまな旅立ちがある。
もっと早くに決心しても良かったのにと思っていた仲良しの同級生は、二人の子どもの巣立ちと同時に我が身もシングルとして新しい生活をはじめた。彼女に関しては離婚は悲しい結末でなく、解放と尊厳を守る大切な出発になるだろう。
祝杯をあげ、ともに喜んだ旅立ちだ。
中学校で優秀な成績をおさめていた友人の子は、当然のように上野ケ丘高校に合格したものの、目標を定められず、大学進学をあきらめ、自分の内なる声に耳を傾けようと、大きな流れから飛び出す決心をした。
期待とプレッシャーに押しつぶされようとしていた中での彼の選択は、少し時間がかかるかもしれないけれど、本当の自分探しという意味では勇気ある旅立ちだと思う。両親や周囲の思いに反するかも知れないけれど、私は応援者として静かに見つめていたい。
大好きな姪っ子は先生や母親の話も聞かず、絶対に無理だといわれた希望する高校を受験し、みごと失敗した。大泣きをしたという話だけれど、そのいさぎよさと第二の旅立ちはきっと彼女を大きくするだろう。私はほめてあげたい。
わが子も、中学校へと進学する。中高一貫の学校の受験や学校選択制による学校探し等、小学校から当たり前のように中学校へ行く時代ではないなか、昔のように普通に進学するだけだけれど、わが家にとっては大きな旅立ちだ。
専業主婦で育てた長男と違ってこの市議団の事務局で忙しく働き回っている私は、当然のように手をかけられず自由に育てた(放ったらかした?)。おかえしは充分返ってくることだろう。思春期に向け反発や思ってもみない本人の希望に笑って答えられる私も、今までの性格から旅立たなければ。
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