性的マイノリティについて2点質問いたします。
LGBT・SOGI(ソジ)への取り組みについてお聞きします。
人の性は少なくとも3つの要素、すなわち、身体の性別である「生物学的な性」、心の性別を決める「性自認」、異性が好き・同性が好き・どちらも好き・どちらにも関心がないなどの「性指向」の要素、更に「表現する性」が組み合わさっています。
これまで日本では、男女をはっきりと二分する「性別役割分業」の考え方や「家制度」、異性愛規範を基本にした「婚姻制度」など、「性別二元性」「性別二元論」の考え方が基本でした。
しかし近年では、複雑で多様な性の在り方が「LGBT」という総称でオープンになり、加えて、様々な性的個性を認める「SOGI」という認識でも広がりつつあります。
宝塚大学看護学部の日高教授による、約1万5千人のLGBT当事者対象の調査結果では、「学校教育で同性愛についての知識を習ったか」の問いに対し、7割近くが「一切習ってない」と答え、10代では48.2%が習っていないと回答しています。
高い年代に比べると、10代は同性愛について習った割合は高くなっていますが、中には「異常なものとして習った」「否定的な情報を得た」と言う回答が合わせて25.9%となっています。
性への目覚めは小学校高学年から中学時代と言われます。
首都圏で「多様な性」の授業実践に取り組む、ある公立中学校では、年度初めの保護者会で性教育の大切さを話し、授業案内を出し、その様子を学年通信で紹介するという取り組みを行っています。参観した保護者から「とても良かった」「ありがたい」等の感想も寄せられているそうです。
一昨年4月、文部科学省は「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施について」という通知を出し、「性的マイノリティとされる児童生徒全般」への支援という言葉が、不十分ながら付け加えられました。
2014年、国際オリンピック委員会は、開催都市との契約に定める差別禁止条項を改訂し、人種・宗教・障がいの有無などと同様に、性的指向や性自認についても差別しないことを条件に加えています。
つまり、性的違いで差別しないことは、もはやオリンピック開催地の条件として必須条項にもなっているわけです。
性的マイノリティをめぐっては、ふだん、公然と語られることがほとんどない性意識・性行動にかかわる事柄であり、また、当事者がカミングアウト(公表)しなければ事態が表面化しないため、?最後のマイノリティ?といわれてきました。
現在、日本では13人にひとりが性的マイノリティと言われており……(詳しくはこちら)
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