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第4回定例会(12月議会)を振り返って
ジンチョウゲ(沈丁花)
2016年12月14日
日本共産党大分市議団
◇議会の概要について◇

 本議会は11月30日開会、12月14日閉会の日程で開かれました。
 審査した議案は、予算議案7件、一般議案27件(条例16件、条例外11件)でした。
 また新たな請願1件、継続審査中の請願8件、継続審査中の陳情15件を審査しました。



◇予算議案について◇

 ◎平成28年度大分市一般会計補正予算(第3号)について、障がい児通所支援事業、駄原総合運動公園改修や公立保育所防犯対策強化などの予算には賛成できますが、以下の趣旨で反対しました。

 第8款・土木費、4項・都市計画費、1目・都市計画総務費、県工事負担金(庄の原佐野線)350万円が計上されています。
 庄の原佐野線は、大分駅南公共団体土地区画整理事業と一体に、大分の新しい顔をつくると称して、大型道路見直しを求める関係住民の意見を無視して、大型道路優先、住民追い出しで進められてきた事業です。
 こうした事業は、住民の十分な納得と合意のもとで進めるべきです。

◎その他の予算議案については、特に反対する理由がないので賛成しました。



◇一般議案について◇

 ◎大分市議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部改正について
 ◎大分市常勤特別職の給与に関する条例の一部改正について

 国の給与改定に準じて、市議会議員や常勤特別職の期末手当を引き上げようとするものです。
 職員や学校職員などの給与や手当を引き上げることは、購買意欲の向上による地域経済への好影響が望めますし、職員の生活設計などから大事なことです。
 しかし、市議会議員や常勤特別職の期末手当は、市民感情などからしても、引き上げる必要はないと考え反対しました。

 ◎大分市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例の制定について

 スポーツに関する職務権限(学校体育を除く)を、教育委員会から市長部局に移すものです。
 本来、教育委員会所管する事項であり、市長部局と連携を取り、場合によっては、教育委員会として積極的な対応をとるように求めました。

 ◎碩田学園の児童・生徒用の机・椅子の購入、歩道橋の設置について

 小中一貫校には反対の立場から、碩田学園の本体工事については反対してきました。
 しかし、児童・生徒用の机・椅子の購入については反対しませんでした。
 また、校庭を結ぶ歩道橋については、児童・生徒の転落防止などに万全を期すこと、歩道橋と一般道路が結ばれることから安全対策を強めることを求めました。

◎機構改革について

 子どもすこやか部の創設にかかわって、障がい児の対応が福祉保健部のままであることから、子どもすこやか部で対応するように求めました。
 また、DV対策が子育て支援課内にあることから、子育て世帯だけと受けとめられかねず、今後必要な対策をとるように求めました。



◇意見書、請願・陳情について◇

 党市議団は、議会運営委員会に、『陸上自衛隊部隊が南スーダン共和国でのPKOから直ちに撤退することを求める意見書案』『国民の期待に応えた規模の給付型奨学金制度の早期創設等を求める意見書案』を提出しました。
 両案とも、社会民主クラブ、おおいた民主クラブに賛成をいただきましたが、否決されました。

 市民のみなさんから提出された請願・陳情について、以下のような対応をしました。

 ◎特定秘密保護法の廃止を求める意見書提出方について、委員長報告は継続審査です。
 特定秘密保護法では、防衛、外交、スパイ、テロにかかわる広範な情報について、政府が特定秘密と一方的に指定されることになっています。
 この規定では、何が秘密かも秘密とされ、政府の裁量で特定秘密の範囲が際限なく拡大されることや、秘密と知らないままに秘密に近づいた国民が、厳しく処罰されることが懸念されます。
 法律の内容、強引な審議・採決、世論などからしても、請願を採択し、意見書を提出すべきです。継続審査に反対しました。

◎マイナンバーの中止を求める意見書提出方について、委員長報告は継続審査です。
 マイナンバーは、住民登録をされている全員に、生涯変わらない12ケタの番号をつけて、社会保障や税の個人情報を国が一括管理しようとするものです。
 メリットを受けるのは、もっぱら国や自治体です。
 いま、利用の範囲を拡大しようとしています。国民にとっては、プライバシーの漏えい、不正使用などの危険性があります。
 民間事業者にも番号の利用が義務付けられ、情報管理体制などを整えることが求められますが、多くの事業者は準備がすすんでいるとは言えません。
 こうしたマイナンバーは、対象の拡大ではなく、施行を中止し、廃止にすべきです。
 以上の理由から、継続審査に反対しました。

 ◎TPP調印文書の批准は行わないことなどを求める意見書提出方について、委員長報告は継続審査です。
 TPPの本質は、巨大多国籍企業の利潤追求のために、関税を撤廃し、食の安全、医療、雇用、保険、共済、国・自治体の調達など、あらゆる分野の「非関税障壁」を撤廃することにあります。
 6千ページを超える膨大なTPP協定・関連文書のなかで、日本語に訳したのは一部でしかなく、政府は交渉経過もまともに説明せず、全文「黒塗り資料」提出など、不誠実な対応に終始してきました。
 また、TPP交渉に当たって、2013年4月の「TPP交渉にあたっては、重要農産物の聖域を確保し、それができない場合は、脱退も辞さないものとする」という衆参農林水産委員会決議に、真っ向から反するものとなっています。
 さらに、外国企業の利益を最優先し、国家主権をあからさまに侵害するISD(投資家対国家紛争処理)条項です。
 この制度は、進出企業が相手国政府の政策によって損害を被ったと判断すれば、国際機関に訴えて損害賠償を請求でき、その国の法律や制度の効力を失わせることを可能にする仕組みです。
 現在開かれている臨時国会では、強行採決ですすめられており、議会制民主主義の破壊は許されません。
 請願者が求めている請願内容は当然であり、継続審査に反対しました。

◎消費税増税の撤回を求める意見書提出方について、委員長報告は、不採択です。
 消費税率を8%に引き上げて以降、国内消費は冷え込み、日本経済に大きな打撃を与えています。
 政府は「消費税増税は社会保障のため」としていますが、現実には年金や生活保護費の引き下げ、医療や介護の負担増など、社会保障費に充てられているとは、到底いえるものではありません。
 税は、累進課税の原則をふまえ、大企業や大資産家から応分の負担を求めて財源を確保し、消費税の増税にたよることをやめるべきです。
 以上の理由から、不採択に反対しました。

 ◎子どもの医療費助成拡大を求める請願について、委員長報告は、不採択です。
 子どもの貧困や少子化対策が課題となる中、慢性的な疾病の治療費や、一定期間継続する治療費の負担は重く、経済的な支援は急務です。
 今回の請願は、先の第3回定例会および今第4回定例会に、多くの保護者・関係者の要望署名も添えられて請願されており、大分市民の切実な声として受け止めるべきと考えます。
 安心して子どもを産み育てることができる大分市となるよう、助成拡大に向け検討をすべきです。以上の理由から、不採択に反対しました。

 ◎ボートピア建設に反対する陳情について、委員長報告は、継続審査です。
 中央町のボートピア建設については、平成25年第3回定例会において、建設に反対する陳情が採択されています。
 風紀や治安、青少年の健全育成などを考えれば、建設はおこなうべきではありません。
 以上の理由から、継続審査に反対しました。

 ◎鶴崎駅のバリアフリー化に関する陳情について、委員長報告は、継続審査です。
 公共交通であるJRの鉄道駅は、住民の生活にとって、たいへん重要な社会基盤であり、バリアフリー化の推進は重要な課題です。
 鉄道駅のバリアフリー化について、国も平成32年度末までに整備することを目標としています。
 陳情されているように、鶴崎駅に一日でも早くエレベーターを設置することは大事な課題です。継続審査に反対しました。



◇議会質問について◇

 一般質問には、22人(わが党3人、自民2人、社民3人、公明5人、新市民4人、民主4人、新政2人)がたちました。
 わが党議員の質問項目は、以下のとおりです。詳細については、ホームページの各議員の質問をご覧いただけると幸いです。

 斉藤議員:一般質問
 ・伊方原発について
 ・学校給食について
 ・保育士の処遇について
 ・保育士の賃金について
 ・企業主導型保育事業について
 ・DV対策について
 ・河川敷のトイレ増設について

 福間議員:一般質問
 ・社会保障(年金・国民健康保険・介護保険)
 ・非正規職員について
 ・土木建築行政
 ・環境行政

 広次議員:一般質問
 ・豊予海峡ルートについて
 ・マイナンバー
 ・家庭ごみの有料化
 ・障がい者の職員採用試験
 ・安全保障法制
 ・日出生台での米軍の演習



◇今後の党議員団の取り組みについて◇

 市政懇談会
※議員の市政報告会をご希望の方(地域)は、ご連絡いただけると幸いです。



◇今後の議会日程などについて◇

 第1回定例会(3月定例市議会) 3月10日〜3月29日を予定



以上

      (文責・広次忠彦)


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