●議会の概要について
第4回定例会は12月30日開会、12月14日閉会の日程で開会されました。予算議案7件、一般議案20件(条例12件、条例外8件)、報告2件、追加議案1件(職員給与)の審査、一般質問などがおこなわれました。
●一般議案について
・マイナンバーに関する条例の制定・一部改正について、日本共産党大分市議団は以下の理由で反対しました。
2013年成立の現行法の利用対象は、「税・社会保障・災害対策」に限ったものでした。ところが先に成立した改定法は、メタボ健診や銀行預金口座など、その用途を広げるものとなっています。
更に安倍首相は、5月29日の産業競争力会議において、医療分野への利用拡大や民間分野での利用の加速化なども指示しています。
そもそも、マイナンバー制度の目的は、「国民の利便性向上」などではなく、国が国民の所得や資産を効率的に掌握し、徴税を強化すると同時に、「過剰な社会保障給付」を受けていないかなどを、チェックしやすいようにするためといっても過言ではありません。
・大分市一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の制定について、日本共産党大分市議団は以下の理由で反対しました。
この制度を導入すると、公務の継続性・安定性の確保が難しくなる危険性があります。また、恣意的な選考採用で、官民の癒着を生むことも懸念されます。
例えば、保育士などの任期付採用が広がれば、不安定雇用の拡大で更なる保育士不足を招き、保育の質の低下が生じる恐れもあります。
弁護士や公認会計士など、任期付採用が利用できる場合もありますが、特別職採用など別の方法でも採用は可能であり、現行の公務員制度に混乱や不安定化を招くことが懸念されます。
・地方活力向上地域における固定資産税について、税率の特例を定めようとする大分市税条例の一部改正について、日本共産党大分市議団は以下の理由で反対しました。
東京23区にある本社機能を移転する場合などに、特例を設けるものです。
移転型には交付税措置がされることになっていますが、財政力の関係で、拡充型には国の支援がありません。これは、固定資産税収入の減額を招くことにもなります。
また、この制度をつくっても、移転の可能性は不透明であり、更に企業立地促進助成金などの制度がつかわれることになります。
・大志生木小学校の廃校、大志生木幼稚園の廃園に日本共産党大分市議団は反対しました。
児童の減少や、在園児がいないことによる休園が理由にされています。しかしこれまで、2年保育の検討や、自然環境を生かした小規模特認校への移行など、行政が存続させるための努力を十分に行ってきたとは言えません。
また、地域の学校や幼稚園がなくなれば、地域の活性化や地域経済にも影響を及ぼします。
・大分市職員の給与で、昇給の抑制に日本共産党大分市議団は反対しました。
「わたり」の解消とあわせて、55歳昇給停止を行おうとするものです。
国や県に準じて給与改定をしようとするものですが、公務員の給与は、個人の生活設計に重大な影響を与えるだけでなく、地域経済にも影響を及ぼします。
●予算議案について
一般会計補正予算と6つの特別会計補正予算が審議されました。
一般会計補正予算は、人件費の確定にともなう調整が主なものですが、マイナンバー制度の導入にかかわる予算などが計上されました。マイナンバーに対する立場から反対しました。
中央通りの仮設歩道の撤去に関する予算も計上されました。意見の一致をみていない整備について、当初から意見の一致をみてからの整備をと主張してきました。
仮設歩道の効果はなかったとの報告と同時に、車線減少による渋滞などもないことが報告されました。今後の全体計画や意見の一致をみてからの撤去あるいは整備でいいとの立場で、予算に反対しました。
◇特別会計補正予算については、特段反対などはしていません。
●意見書、請願・陳情について
・無差別テロに対し国際社会と協力して、法と正義に基づいたテロ根絶に対応することを求める意見書の提出を求める請願が不採択にされました。
これは、フランスの首都パリと近郊の複数個所で、11月13日夜、銃撃や爆発が相次いで発生し、少なくとも129人が死亡し、多数の負傷者を出した事件に関係して、国連安保理決議にもとづいて、法と正義に基づいたテロ根絶に対応することを求めるものです。
テロ行為は、いかなる理由があろうとも、絶対に許されない卑劣な犯罪行為です。
空爆などの軍事作戦の強化では、憎しみの連鎖を広げ、テロと戦争の悪循環をつくりだすことにつながります。
テロ根絶のためには、国際社会が一致結束して差別や偏見をなくし、国連安保理決議に基づいて、貧困と格差をなくすための取り組みこそが重要です。
この請願は、法と正義に基づくという趣旨で、それを政府に求めるものであり、不採択にすることは許せません。
・集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回し、それに基づく立法化を行わないことを求める請願についても不採択となりました。
安全保障法制が成立し、自衛隊は海外で、軍事支援や戦争ができるようになりました。安保法制は、自衛隊の軍事行動について、なんの「歯止め」も持たないことが、さまざまな分野で明らかになっています。
米軍などへの軍事支援にあたっては、クラスター爆弾や劣化ウラン弾、毒ガス兵器や核兵器など、非人道兵器でも、大量破壊兵器でも、法律上何でも運ぶことができ、規制はありません。
憲法9条を無視した、戦争する国づくりを許すことはできません。
・子どもの医療費の助成拡大を求める陳情についても不採択となりました。
小学校6年生までの医療費に対し、通院、入院ともに大幅な助成を求めるものです。子どもの医療費助成は、子どもの貧困対策と子育て支援の大きな力となっています。
全国の自治体でも、県内の市町村でも、中学校卒業までを含め、医療費の無料化は広がっています。少なくとも小学校卒業までの拡充で、子どもたちの健やかな成長を支えるべきであり、不採択にすべきではありません。
・三佐仲よしプールの存続を求める請願(新市民クラブ議員の紹介)は、全会一致で採択されました。
市民プールは6か所あります。そのなかで、桃園公園プールと三佐仲よしプールは、施設の劣化などで休止していました。その他のプールも、経年劣化がすすんでおり、対策が求められます。
引き続き、こうしたプールの改修などを要求していきたいと考えています。
●議会質問について
わが党は、福間議員と広次議員が4日、斉藤議員が8日、それぞれ一般質問をおこないました。詳細は、各議員のホームページを参照してください。
なお、市議会ホームページで、オンデマンドで視聴、前議会までの議事録が検索できます。
《福間議員》
伊方原発の再稼働
建築物の安全について
東芝のリストラについて
障がい者支援(交通費助成)について
高齢者支援(敬老の日週間の支援拡充)について
《広次議員》
中央通り仮設歩道の撤去について
中心市街地の道路について
就学援助の基準引上げについて
奨学金拡充について
幼稚園の廃園について
任期付職員について
鉛製水道管の布設替えについて
航空機に低空飛行について
《斉藤議員》
不登校対策
教育関係寄贈品の取り扱いについて
児童育成クラブについて
マイナンバーの取り扱いについて
芸館と周辺の安全対策について
●今後の党議員団の取り組みについて
・市政こんだん会=1月24日・日曜日10:00〜11:30 コンパルホール
・各議員の市政報告会もおこなっています。ご相談ください。
●今後の議会日程などについて
・3月4日〜3月25日 3月定例市議会
以上 (文責・広次忠彦)
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