日本共産党の福間健治です。質問通告に従い質問します。
最初に、議第30号・国民健康保険税条例の改正について質問いたします。
さて、今回の国保税値上げ議案は、医療費の高騰による累積赤字解消のためとしています。
しかし改正内容は、
医療分で一人あたり年8、810円(7・7%)、
介護分一人あたり年6、325円(43・7%)、
となっています。
一人平均年額15、135円の値上げ、
一世帯あたり年額約20、500円の値上げです。
二人世帯で所得200万円では、税率改正で、
年税額は317、700円となり値上げ額は39、400円(14・2%)にもなります。
一人暮らし年所得460万円では
医療分・介護分合わせて、年間77、000円もの大幅な引き上げになります。年金生活者は、課税強化により、より重い負担となります。
市民からは「これまで何とか払ってきたが、こんな値上げがされたら、もう払えない」「値上げされても、支払いのためにどこも削るところはありません」などの悲痛な声があがっています。初めて一般会計から3億円の繰り入れをするとしていますが、暮らしを直撃することは必至です。
長引く不況のなか、リストラなどで国保加入世帯は急増し、年所得150万円以下の世帯が8割を占めています。所得ゼロ世帯は (41%)と増えています。また所得階層別の収納状況みても所得の低い世帯ほど収納率が低くなっています。値上げがされれば、滞納世帯のいっそうの増加、収納率低下を引き起こすことは目にみえています。またこのことが、短期証・資格証明書発行世帯を増加させ、受診抑制につながり、市民の命と健康に重大な影響を与えるは避けられません。
国民健康保険法は「社会保障と国民保健の向上に寄与する」と明記され、国の責任で国民に医療を保障する制度です。被保険者だけに赤字解消の負担を押し付けるだけでは、根本的な解決にはならないと考えます。今回の値上げ案は凍結し、被保険者に負担をかけない方法などについてもっと論議を深めるべきです。見解を求めます。
「いつでもどこでも安心して受けられる医療、安心して払える国保税」にすることは、緊急の課題となっています。そこで5点について質問いたします。
1、高い国保税になった根本要因は、国庫負担を45%から38、5%に削減したことです。国庫負担を元の45%戻すことを、国に強く要求すべきであります。また今回の税率改定にあたり初めて3億円の繰り入れをするとのことですが、一般会計からの繰り入れをもっと増額すべきです。
2、低所得者に重い負担となっている原因は応能割と応益割の比率を5対5にしたことです。応能割の比率を高める改正をして、低所得者の負担を軽減する措置をとるべきです。
3、予防重視の国保運営に改めるべきです。市長も提案理由説明で、健康づくりを市政運営の柱にする、そうすることが、医療費の抑制つながると述べています。しかし現実は、短期保険証・資格証明書の発行などにより、重症化して受診するケースが増え、医療費の高騰の悪循環となっています。短期保険証や資格証明書の発行は直ちに中止することが、予防重視、医療費抑制に結びつくと考えます。
4、減免制度の拡充についてです。低所得者減免制度は、平成14年度に改正されました。当時原課の説明は、広く薄く適用するためだと説明してきました。しかしこの間の実績を見ると「生活困窮による減免」は、平成13年は93件、減免総額は655万1、700円となっていましたが、平成16年には、54件、減免総額は170万2、100円となっており、当時の説明は事実に反するといわざるをえません。せめて元の基準に戻すべきです。
5、一部負担金免除についてです。4月から大分市一部負担金の減額免除及び徴収猶予に関する取り扱い要綱を定め実施するとしています。しかし問題は中身です。減免など対象では、事由発生前の収入額と申請時の収入額とを比較して「収入が著しく減少いたときとは」おおむね50%以上の減少が認められるものをいうとか、徴収猶予では、療養にようする3ヶ月以内の一部負担金につき、6ヶ月以内の期間に限る、徴収猶予した一部負担金を6ヶ月以内に確実に納付することができる世帯に限定する、などと厳しい条件となっています。もっと利用しやすい制度に改善すべきです。
以上5点についての見解を求めます。
次に介護保険について質問します。追加議案として提案されました議第49 号、大分市介護保険条例の一部改正についてです。
改正案では、1、保険料徴収区分を5段階から7段階にすること。2、税制改正により、保険料段階が上昇する者への激変緩和措置をとること。3、準備基金の取り壊しする。その上での保険料改正は基準額で、現行月額3、610円から4、270円(660円増、18、3%増)に改正しょうとするものであります。
私は昨年の12月市議会で保険料をおさえるために基金の活用を提案しましたが、一人あたり月額77円と少額ではありますが、実施することについては評価をします。しかし保険料値上げによる第一号被保険者一人あたりの年額負担は、7、920円、総額では約6億5万円の負担増はあまりにも重い負担です。「介護は社会全体支える」という当初の目的を逸脱し、「自立自助」の名のもとにいっそうの負担増は、高齢者の生存権をうばうものです。国に国庫負担の増額を要求すること。また市の一般会計から繰り入れなどによって値上げ幅をもつと押さえる措置をとるべきです。見解を求めます。
また低所得者への独自減免基準の拡大、食事代負担など利用料軽減対策をとるべきです。見解を求めます。さて、介護保険法の改悪は、食事・居住費の自己負担化、軽度の要介護者へのサービスの切り捨て、介護サービス報酬の引き下げ、軽度者への車いす・特殊ベットの貸与も廃止されました。せめて、軽度者への車いす貸与などは、これまでどおり利用できるように市の独自措置をおこなうべきです。見解を求めます。
次に、大友館跡公園指定の拡大について質問します。
さて、大友氏館跡歴史公園面積約6・5ヘクタール国史跡指定地および予定地約4ヘクタールを含むは、昨年11月中旬から説明会を実施し、原案の縦覧、今年1月11日に公聴会、1月20日から2月3日まで、案の縦覧が行われ、2月24日の大分市都市計画審議会では、
1、市として今後具体的事業スケジュールについてできるだけ早期に明らかにする努力をするとともに、機会あるごとに関係者の皆様に伝達すること。
2、事業の推進に当たっては、対象者の家屋移転に係る補償や移転先の確保などについては十二分に検討をおこない、対象者の不安をできる限り、解消すべく最大限の努力をすること。
の付帯意見を付して都市計画公園の変更が承認されました。
私も地域のみなさんから、「市の説明は遅すぎる」、「これだけの巨費を投ずる必要があるのか」、「計画外だからマンションを買ったのに」、「高齢となり住み慣れた地域から離れたくない」、「住民を移転させるのなら、移転先は隣接地に確保しておくべきだ」など、様々な角度からのご意見・要望が寄せられていました。さて、都市計画公園変更案の縦覧期間中には、短期間でしたが、564件もの意見書が提出されています。市の案に同意したのはたったの2件のみ、圧倒的多数の方は反対の意志表示を明確にしています。
市民参加、情報公開を標榜する市政なら、関係者への十分な説明責任を果たすこと。また関係者の意見を十分にくみ入れた対応をおこなうべきではなかったでしょうか。なぜ性急な都市計画変更の手続きをおこなったのか。延期をしてでも住民の不安にどう応えていくのか十分な論議を保障する期間を設けるべきだったと考えますが、見解を求めます。また付帯意見を尊重する立場での今後の対応について、見解を求めます。
最後に学校選択制について質問します。
大分市は学校選択制の導入に向けて、昨年、大分市立小中学校選択制度検討委員会をたちあげ、すでに6回の検討委員会が開催され、意見集約をおこない、今月末にも、報告書をまとめるとしています。
大分市教育委員会は、学校選択制の目的を「学校の活性化」「各学校が特色ある学校づくりを適正にきそいあい、その特色に応じて、児童・生徒が自分あつた就学校を選べること」「居住地より、より近い学校に通いたいという市民の声を反映できるようにすること」としています。
さる1月21日付けの新聞報道によれば、第4回検討委員会で「小中学校に学校選択制を導入すべき」との結論を出した、としています。
私は、第5回の検討委員会を傍聴しました。大分市が実施した学校選択制の意見募集の結果が報告されました。意見はわずか158件ですが、近くの学校に通えるなどのメリットの一方で、学校格差の広がり、地域活動への参加率低下などを心配する声が寄せられています。
また検討委員会でも、「子どもを対象にした事件があるなか、地域の連携がとれてきた中、学校選択制で地域との連携がこわれるのではないか」「学校・地域・家庭というトライアングルが学校選択制でどういう影響を与えるのか」さらに、学力テストの公開で、「学校間格差、序列化の拡大」、など、関係者の懸念の声が紹介されています。
なによりも問題なのは、保護者など、関係者が知らないまますすめられていることです。また当事者である児童・生徒の意見にはまったく尊重されていないことです。
学校選択制を実施している自治体はまだごくわずかです。実施自治体の評価についても十分に検証する必要があります。こうしたことから、学校選択制導入の是非については、性急な結論をだすのではなく、十分な情報提供おこない、関係者の意見を、くまなく集約し、時間をかけ、慎重にすすめていくべきと考えます。見解を求めます。
さて、市教委は、学校選択制を検討する理由として、学力低下、いじめ・不登校など「学級崩壊」をなくすことや地理的事情などの解消のためとしています。このことは、すでに、文部省通知(平成9年1月27日)「通学区域制度の弾力的運用について」により「地理的な理由や身体的理由、いじめの対応を理由とする場合の外、児童生徒等の具体的事情に即して相当と認めるときは、保護者の申し立てより、これを認めることができる」としている。この弾力的運用で対応することは可能です。あえて学校選択制の是非を検討する必要はないと考えます。あえて学校選択制の導入というのなら、こうした諸問題解決にどう結びつくのか、見解を求めます。
3月市議会一般質問(要旨)
2006年3月17日(金)
5番 福間健治